寒さと暖かさを繰り返しながら今年も芽吹きの季節を迎え、足下や頭上に目線を移せば、草木や花から季節が進んでいることを感じることができます。春の花「桜」の開花発表がされる頃に、こちらもどんどん多くなるスギの花粉飛散の発表に憂鬱になる方もいらっしゃいますね。花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響します。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の飛散量が多くなるといわれています。
今回は、花粉症・鼻炎の鼻水や鼻づまり症状の緩和に有効とされている2つの漢方薬をご紹介します。
薬局やドラッグストアに行くと、漢方薬のコーナーに必ずといっていいほど置いてある小青竜湯は、葛根湯などとともに、風邪のコーナーにあることも多いです。「小青竜湯」(しょうせいりゅうとう)は、花粉症症状の初期や水っぽい鼻水(アレルギー性鼻炎)に悩む方向けの漢方薬です。小青竜湯:麻黄(マオウ)、芍薬(シャクヤク)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、細辛(サイシン)、五味子(ゴミシ)、半夏(ハンゲ)からなるお薬です。
透明で水のような鼻水が滝のように流れ出る、ティッシュがいくらあっても足りないといった症状におすすめです。他にも、このような症状もでてきます。
☆「葛根湯加川芎辛夷」(かっこんとうかせんきゅうしんい)☆
「葛根湯加川芎辛夷」(かっこんとうかせんきゅうしんい)は、風邪薬でお馴染みの葛根湯:葛根(カッコン)、大棗(タイソウ)、麻黄(マオウ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)に川芎(センキュウ)、辛夷(シンイ)を加え、体が冷やされて起こる症状「鼻づまり」などの症状を改善していく漢方薬です。
花粉症になりはじめに多い水のようなサラサラ透明の鼻水から始まり、無色~白色の少し粘り気のある鼻水に変わり鼻づまりが強くなります。他にも、このような症状もでてきます。
漢方薬も医薬品であることには変わりないので、注意するべき点があります。実は、小青竜や湯葛根湯加川芎辛夷に含まれる麻黄(マオウ)は、胃腸が弱い方は避けた方がよいと言われている生薬です。また、妊娠又は妊娠していると思われる人は、注意が必要です。持病などある方は、服用前に医師・薬剤師や登録販売者に相談しましょう。
漢方薬の飲み方で、小青竜湯など「湯」が付いているエキス剤のお薬は、湯に溶かして飲んだ方が効果が大きいとされています。立ちのぼる蒸気の成分が鼻や口腔粘膜から素早く吸収される効果があると期待されています。1ヶ月位服用しても少しも症状の緩和が見られない場合は、漢方を専門に取り扱っている医療機関にご相談ください。
あとは、食養生も大切です。だんだんと気温も上がり暖かい日が増えてきますが、お腹を冷やすような氷の入った飲み物やアイスクリームはお控え、温かい飲み物や温野菜を心掛けましょう。 暖かさを感じる春。一日一日と気温が桜色の春を感じましょう!