人の健康において、腸内細菌が重要だということはよく言われますよね。腸内には特に色々な細菌がありますが、腸内の良い状態をお花畑にみたてた「腸内フローラ」などという言葉もあります。しかし、腸内細菌が多ければそれでいいという話ではもちろんありません。腸内細菌の中身が非常に大切です。今回は、腸内細菌の中身について詳しく解説していきたいと思います。
腸内の細菌においても、他と同様に人の身体に良い細菌と悪い細菌があります。腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類があるといわれています。善玉菌はその名の通り、基本的には善い菌で、消化吸収や免疫抑制など人間の体の健康を保つ機能があるといわれています。逆に、悪玉菌はその名の通り、悪い菌となります。大腸菌やブドウ球菌など聞いたころがあるかもしれませんが、病気の原因となるため、少ないほうがいい菌です。もう1つの日和見菌は、普段は良くも悪くもない菌ですが、体調が悪いときなどには腸内で悪い作用をすることがある菌です。文字通り、日和見なのです。
子供のときに腸内細菌を気にする人は少ないとは思いますが、腸内細菌は年齢を重ねるごとに変化していきます。年をとればとるほど、腸内に悪玉菌が増えていく傾向にあり、それが病気の原因となることもあります。
悪玉菌が増えれば、腸内細菌のバランスは崩れます。善玉菌や日和見菌の数が変わらなくても、悪玉菌が増えれば、腸内バランスは必然的に悪くなってしまいます。腸内バランスが崩れることで体調が悪くなったり、病気になったり、精神的に不安定になったりもするでしょう。たとえ、そこまで悪くならなかったとしても、肌荒れなど何かしらの変化が起きることは免れません。
加齢とともに、腸内に悪玉菌が増えてしまうのはしかたがないことです。しかし、腸内バランスを少しでもよい状態に保つ努力をすることはできます。たとえ悪玉菌が増えても、その分、善玉菌も増えれば腸内バランスはそれほど悪くならないからです。それでは、善玉菌を増やすにはどうすればいいのでしょうか。
善玉菌には、ビフィズス菌を初めとした乳酸菌があります。健康にいいとして有名なものにヤクルトやR-1飲料などがありますが、これらは乳酸菌を特徴とした飲み物といえます。
善玉菌を増やすには発酵食品を多く摂取するとか、上記のような乳酸菌が含まれた飲食品を摂取するとよいでしょう。また、食物繊維を多くとることも善玉菌を増やすには有効です。食物繊維は分解されると善玉菌のエサとなるからです。一般的に日本人は食物繊維の摂取量が不足しているといわれていますので、毎日積極的に食物繊維をとるように心がけるといいでしょう。